取組み紹介
釜めしの素リボーン/ユーザビリティの向上
従来、釜めしの素「だし炊き」シリーズは、“具”と“だし”を別々の袋に分けることで、“だし”の効いた味をお届けしてきました。通常、殺菌工程において“だし”の風味は弱まる傾向にありますが、旨味を活かした“だし”を研究することでその課題を解決、“具”と“だし”を1袋にし、これまで以上に“だし”の旨味を感じる商品として、29年ぶりに大きく生まれ変わりました。また、1袋になったことでご家庭での調理工程が簡素化され、だれでも失敗なく炊き上げることができるようになっています。
本刷新の結果、プラスチック包材および紙包材あわせて年間約60tの削減につながり、人にも地球にも優しい商品となりました。
健康でおいしく(バリアフリー商品拡大)
健康でおいしい食生活の提案として「減塩・血圧ケア」「糖質オフ」への取組みを強化しています。
例えば、高血圧の方の血圧を下げる効果があるとされる「GABA(ギャバ)」を使ったGABAしょうゆ(機能性表示食品)は、幅広い方にお使いいただけるように、日本の伝統柄をモチーフとしたパッケージに変更、さらには、機能性素材としてのGABAを商品化し、お取引先様の課題解決へのサポートもスタートさせました。
加えて、高血圧症の方もそうでない方も全員が食事中の塩分に意識を向け、食生活を見直すきっかけを作り出す「休塩日(きゅうえんび)」や「砂糖無添加調味料」の提案で、予防も含めた健康維持・増進を促しています。
しょうゆ油の再利用研究
醤油の副産物である「しょうゆ油(あぶら)」は石鹸の原料などに再利用していますが、更に環境価値の高い素材へとアップサイクルすることを目指し研究を進めています。岩手大学、東京農業大学と共同でしょうゆ油を原料とし海洋生分解性プラスチックの1つであるpoly(3-hydroxybutyrate)を合成出来ることを発見。カーボンニュートラルな素材であり、特に海洋中で分解され易い性質をもつことから、海洋プラスチック問題を解決する上で注目の成分です。食糧である油脂や糖類を原料とするのではなく、非食品である「しょうゆ油」を活用する点で、食糧不足問題解決の取組みの一つとして、実用化に向けて研究を続けていきます。
三重県でのタイ野菜栽培/地域農業の活性化
タイフードビジネスを牽引するヤマモリとして、本格タイ料理のさらなる普及のため「タイ野菜国内栽培の事業化」に挑戦しています。栽培に関しては地元三重の農業活性化を目指し、三重県・JAと協力して進め、2022年度は四日市・鈴鹿の4軒の若手生産者にご協力いただき、ホーリーバジル、タイナス、レモングラスの栽培を開始しました。地域農業の活性化につながる新たな取組みということで、多くのメディアに取り上げていただきました。今後、さらに多くの方に新鮮なタイ野菜をお届けできるよう活動していきます。
FLWと食品リサイクル
2022年度に国内の工場と物流部門から排出された食品廃棄物量は1,552tでした。会社全体で食品廃棄の削減に取り組んできた結果、2007年度から比較すると約50%の削減となりました。
また、マテリアルリサイクル(飼料・肥料としての活用)など、食品廃棄物の再生利用を促進することで、高い食品リサイクル率を維持しています。今後は目標の99%以上の達成のために積極的に取り組みます。
集計対象:桑名工場、大山田工場、松阪工場、Y'sロジ
省エネ大賞「審査委員会特別賞」受賞
⼀般財団法⼈省エネルギーセンター主催2022年度省エネ⼤賞(後援:経済産業省)の省エネ事例部門において「審査委員会特別賞」を受賞。本受賞は、ヤマモリ、ジャストエンジニアリング、三浦工業の3社による複数の活動の結果です。
<テーマ>レトルト食品工場における省エネルギーの取組み事例
1.⾼効率蒸気ボイラーへの更新(2014年、2018年)
2.蒸気加熱式温水製造における廃熱回収(2016年)
3.蒸気ボイラー・アキュームレータの最適制御(2019年)
4.熱回収式エアコンプレッサの導入(2021年)
<省エネ効果>
原油換算による削減量:年間175KL
CO2削減量:年間572t-CO2
ダイバーシティ(男性の育児休暇取得率向上に向け)
2022年の法改正により、男性社員に育児休暇取得の意思確認をすることが法制化されました。各部署のサポート体制により、今期4名が取得しました(うち1名は1年の長期休暇取得)。男性が育児休暇を取得しやすい環境ができています。
〈育休取得者の声〉
私がパパ育休の取得を考えた理由は、産後の妻のサポートをしたいと思ったからです。
1ヵ月間パパ育休を取得しましたが、退院後、車の運転ができなかった妻の病院へ送迎と家事などのサポートに重点を置いた期間になりました。子どものおむつ交換やお風呂、ミルクなど慣れないことで大変でしたが、日々大きくなっていく姿を間近で実感できました。育休を取れて良かったです。
「GABA de 健活」プロジェクト始動
自社の健康素材GABA(ギャバ)で従業員の健康に貢献できるよう「GABA de 健活」プロジェクト第一弾として、毎日食べる社員食堂のご飯を“GABA入りごはん”にして提供を始めました。
味はまったく変わらず、毎日食堂で昼食をとるだけで無理なくGABAを摂取することができます。もちろん食堂に置いてある醤油は「GABAしょうゆ」です。
食堂での提供に合わせてGABAの健康機能や商品を紹介するブースや血圧計を設置して、従業員にもっとGABAの良さを知ってもらい、食堂での食事を通じて従業員の健康に貢献したいと考えています。
タイからの技能実習生
技能実習第1期生の1名が、松阪工場での3年間の実習を終了し、タイへ帰国後、サイアムヤマモリへ入社しました(2022年10月)。技能実習制度の本来目的である「日本の技術・技能・知識を発展途上地域へ移転し、経済発展を担う『人づくり』に寄与する国際協力の推進」のヤマモリにおける第1号です。松阪工場で身に付けた技能をタイのサイアムヤマモリで発揮し、日本品質で生産に貢献しています。
松阪工場では32名の技能実習生と24名の特定技能者(いずれもタイ)が研鑽しています。
伊勢醤油奉納式/醤油の出前授業
三重県産の大豆と小麦を使って仕込んだ伊勢醤油は発売して30年が経ちました。毎年12月28日に行われる伊勢神宮への奉納式では、四斗樽を竹竿で担いで奉納するのがお決まりのスタイルで、竹竿は毎年奉納式の直前に桑名の青竹を切って使っています。また、四斗樽に紅白のロープを巻く作業は、桑名工場のOBが長年その役割を担ってきましたが、一昨年からは現桑名工場の製造部長や係長にその技が伝承されています。
また「みえ食の“人財”育成プラットフォーム」の活動の一環として、三重調理専門学校で将来料理人を目指す方々に、醤油の製法や種類・使い方の講義を行いました。
これらの活動により当社は醤油文化を伝える役割を担っています。